クルド人ってどこの国の人?クルド人の特徴となぜ日本にくるのか

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クルド人ってどこの国の人?クルド人の特徴となぜ日本にくるのか

クルド人は、国境を持たない民族として知られており、主に中東のトルコ、イラン、イラク、シリアにまたがる地域に居住しています。彼らは「国なき最大の民族」とも呼ばれ、独自の言語や文化を持ちながら、多くの場合、少数民族としての立場にあります。日本に来るクルド人の多くは、トルコ出身で、迫害や差別を逃れて難民として保護を求めています。この記事では、クルド人の背景、彼らが直面する社会的・政治的な課題、そしてなぜ彼らが日本を目指すのかについて掘り下げていきます。

クルド人ってどこの国の人?

クルド人は中東地域に住む民族であり、複数の国に分散しています。主な居住地域はトルコ、イラン、イラク、およびシリアです。以下にそれぞれの国でのクルド人の状況を説明します。

1. トルコ:

トルコにおいて、クルド人口は最も多く、約1,430万人とされています。彼らは主にトルコ南東部および東部に居住しており、半遊牧生活や農業を営んでいます。

2. イラン:

イランにおけるクルド人の人口は約480万人から660万人と推定されています。彼らはイラン北西部に広く分布しており、クルディスタン地域と呼ばれる地域に居住しています。

3. イラク:

イラクにおいてもクルド人は大きな存在であり、人口は約350万人から480万人とされています。イラク北部のクルディスタン地域に主に居住しており、自治権を持っています。

4. シリア:

シリアにおけるクルド人の人口は約150万人と推定されています。彼らはシリア北東部に広く分布しており、クルディスタン地域と呼ばれる地域に居住しています。

クルド人はこれらの国々で異なる宗教や宗派に属しており、イスラム教スンナ派、アレヴィー派、ヤズィーディー、キリスト教、ユダヤ教、ゾロアスター教などが存在します。また、クルド人の言語はクルド語であり、インド・ヨーロッパ語族イラン語派に属しています。

クルド人は長い歴史を持ち、中世から近世にかけてオスマン帝国の領内に広大な版図を保っていました。しかし、第一次世界大戦後に行われた国境線の引き直しにより、クルド人は4つの国に分断されることとなりました。

最近では、クルド人の一部は各国での自治権獲得を目指したり、共存のための対話を模索する動きも見られます。また、一部のクルド人は中東地域を離れて欧米などへ移民するケースも増えています。

クルド人の特徴とは

クルド人の特徴について説明します。

クルド人は中東クルディスタンに住むイラン系山岳民族であり、トルコ、イラン、イラク、シリアの4カ国に広く分布しています。彼らは「国を持たない世界最大の民族」と言われており、約3千万人の人々からなります。

以下に、クルド人の特徴をいくつか挙げます。

1. 言語: クルド人はクルド語を話すことが一般的です。クルド語はインド・ヨーロッパ語族イラン語派に属し、クルド人の文化やアイデンティティの重要な要素です。

2. 宗教: クルド人の宗教は多様であり、イスラム教スンナ派、アレヴィー派、ヤズィーディー、キリスト教、ユダヤ教、ゾロアスター教などが存在します。イスラム教が最も一般的であり、スンニ派やアレヴィー派が多数派です。

3. 文化: クルド人の文化は多様で豊かです。彼らは伝統的に牧畜を生業としており、遊牧民として生活する者も多いですが、都市への流入も増えています。また、クルド人の文化には音楽や踊り、詩などが含まれており、これらは彼らのアイデンティティを形成しています。

4. 歴史: クルド人の歴史は古く、中世から近世にかけてオスマン帝国の領内に広大な版図を保っていました。しかし、第一次世界大戦後に国境線が引かれ、トルコ、イラン、イラク、シリアなどに分断されました。その後、クルド人は各地で政治的な軋轢や武力闘争を経験してきました。

5. 女性の役割: 近年、クルド人女性は進歩的な役割を果たし、女性の自由や解放、権利と平等に力を入れ改善を勝ち取ってきました。特に北部及び東部シリア自治行政区(ロジャヴァ)のクルド人民防衛隊には女性の防衛部隊があり、ISILとの戦いで戦果を挙げています。

クルド人は多様な宗教や文化を持ち、その特徴は地域や個人によっても異なる場合があります。しかし、彼らはクルド語や共通の歴史を通じて結びついており、クルディスタンのアイデンティティを大切にしています。

なぜ日本にクルド人がいるのか

日本にクルド人がいる理由はいくつかあります。以下に詳しく説明します。

1. 難民としての保護を求めて来日したクルド人

  •   クルド人は中東・トルコの出身で、分離独立を求めるクルド人組織とトルコ政府との対立が激しくなった1990年代から、「母国では迫害される」と訴えて日本に難民としての保護を求めて来る人が増えました。
  •   日本で難民申請したトルコ国籍のクルド人はおよそ15年で9700人以上に上りますが、認定されたのは1人だけです。

2. 仮放免制度による滞在

  •   難民申請が認められず退去が確定した外国人は、原則として施設に収容されることになっています。
  •   しかし、近年は新型コロナの感染対策や人道的な観点から、収容所の密を避けるために施設の外で生活する「仮放免」の人たちが増加しています。
  •   難民申請を行うクルド人の多くは観光ビザで日本に入国し、川口市周辺で暮らす知人などのつてを頼って集まってきます。
  •   仮放免での滞在は違法であり、発覚すれば施設への収容につながりますが、一部のクルド人は人手不足の解体業界などで働いていると報告されています。

3. 支援団体によるサポート

  •   クルド人の生活には困難が伴うことがあります。彼らは国外への退去手続き中であり、国は就労や健康保険への加入を認めていません。
  •   医療費は10割負担であり、病院での治療を受けることができず、生活に支障をきたす人もいます。
  •   一部の支援団体はクルド人の生活を支援し、医療費の立て替えや翻訳アプリの提供などを行っています。

4. 就労の機会

  • 一部のクルド人は、日本での就労を求めて移住しています。特に、解体業界などの労働力不足が問題となっている分野で、クルド人の労働力が活用されています。ただし、クルド人の中には違法な形で就労している人もいるため、その問題については議論がされています。

5. 家族や親族の存在

  • 日本に移住する際、クルド人は家族や親族の存在を頼りにしています。先に来日した親族がいる地域に集まり、そこで生活を始めることが多いです。埼玉県川口市は、クルド人の集住地として知られており、家賃などの生活費が比較的安いことから、多くのクルド人が移住しています

川口市がクルド人問題に関して国に異例の要望をしている背景には、仮放免制度の前提と実態のかい離があります。市内にはトルコ国籍の仮放免者が900人以上おり、その多くがクルド人とされています。川口市は、不法行為を行う外国人に対して厳格に対処してほしいと要望しています。また、仮放免者が最低限の生活維持ができるよう就労を可能とする制度の構築や、健康保険などの行政サービスについて国の責任で適否を判断してほしいとも要望しています。

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